交通事故の興奮とケガ

交通事故にあうことがまれだからこそ

普段の生活の中で、交通事故にあうことは想定していないでしょう。そのような生活の中で、想定外の事態が起こるのですから、神経は興奮します。これは体を守るためにも必要なことです。
人間の体は興奮状態にすることで、交通時のによる衝撃などから守ります。興奮させて筋肉を緊張させ、中心部を守る盾にするとともに、痛みなども感じにくくさせるのです。これは脳内にアドレナリンやβエンドルフィンというホルモンが分布つされ、危機的状況に対し対応しようとしています。問題はこの状態がどこまで続くかということでしょう。消していいことではないからです。

自律神経と天秤

興奮状態にして体を守ることは、交通事故の状態ではとても大切で重要です。体の中心部を守らなければ、生命の危機が訪れるかもしれません。ただし、交通事故にあったときなら重要ですが、いつでもその状態では、体も精神も持たないのです。

これは自律神経との関係があります。人間の自律神経は天秤のようなものです。興奮状態に傾くのは、交感神経が優位に立っている状態を意味します。この傾いた状態が続くと、初期の段階では、不安や不眠といったことが表れ、やがて抑うつ状態やパニック障害などへ発展することがあるのです。
怪我としてみると、交感神経が優位な状態が続くことで、症状が悪化し慢性化する可能性が出てきます。つまりいつまでたっても回復しない状態です。
理由は明白で、興奮状態が続くことによって、怪我の原因がはっきりしなくなってきます。それでも不調の状態は続くわけですから、いつまでたっても回復できない状態が出来上がるのです。

リラックスさせて正常なモードへと

興奮状態に対して鍼灸の施術を行うと、神経系を介して脳の視床下部や自律神経の中枢に対する作用が発生します。これにより神経伝達物質の分泌を促進させていき、心拍数が落ち着くことでリラックス状態を作り出すのです。心身ともにリラックスできる状態を作り副交感神経を優位にすることで、自律神経の天秤を正常な状態に傾けられます。
副交感神経が優位に立つと、体は休憩モードに切り替わりリラックスするようになります。血圧の正常な状態になり、血管を広げ血流を増やして行くのです。これは交感神経が優位に立った場合、体の中枢部分に血液量を増やして行く作用があります。中枢部分を守るための作業ですが、鍼灸によってこの状態を切り替えてあげるのです。

交通事故というものは日常起こるものではありません。体もその状態についてこれないため、鍼灸で正常化させてあげることが、怪我の回復にもつながるということになります。